院長コラム

急性胃腸炎のお話

胃腸炎の季節がやって来ました
いよいよ冬場に差し掛かり、急性胃腸炎の季節となってきました。この原因としては、90%以上は、ウイルス性で、ロタウイルスや、ノロウイルス、アデノウイルスなどが知られています。今回は、このウイルス性胃腸炎をお題として、主に家庭での治療にあたって気をつけて頂きたい点をお話したいと思います。


基本的ルール
水分補給が何より大切です。水分を取るから、水っぽい下痢になるのでは決してありません。水分をとらないと脱水となり、症状がさらに悪化する場合があります。さらに、栄養のことはあまり気にする必要はありません。食欲がない時に無理やり食事をさせれば、吐いたりして、更に症状を悪化させます。食欲が出てきても、直ぐに普通の食事を与えないでください。むしろ控えめにしてください。腸は、休みたいのです。


吐いている場合
「吐いたら飲ませるな」が基本姿勢です。吐いた場合は、1時間から2時間は飲んだり、食べたりさせないことが重要です。少し落ち着いてからは、少量の水分を(ポカリなどのスポーツ飲料や、お茶、薄めたリンゴジュース)少し暖めて、最初は、スプーンで1,2杯飲ませます。嘔吐がないことを確認しながら、少しずつ量を増やしていきます。少量頻回が原則です。


下痢だけになったら
「何をたべるかは、便と相談して」を守りましょう。つまり、便が水のようなときは、水を中心に、便がドロドロのときは、ドロドロの食べ物を、便がやわらかい時は、やわらかい食べ物を与えます。つまり、便の硬さと同じ硬さの食事を心がけましょう。例えば、便が水のような場合は、味噌汁、おもゆ、スポーツ飲料などを飲ませましょう。ドロドロ便のときは、おかゆ、パンがゆ、かぼちゃのにつぶしなどをあげましょう。やわらかな便のときは、おかゆ、うどん、とりささみ等が良いでしょう。


母乳の場合
下痢が強いときは、母乳をあげる時間をいつもの半分にして、回数を2倍にしてください。


こんな時は、お医者に行きましょう
病院から帰っても吐き続ける時や、元気がなくぐったりしている時、また、おしっこが少なくなっている時、高熱が続く場合等は早めに受診してください。また、この受診の際に、家庭で取った水分量や、下痢、嘔吐の回数などをメモにしておくことも大切なことです。

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