院長コラム

子宮頸がんワクチンを接種してください!

今回は、子宮頸がんワクチンのことです。

 日本では、子宮頸がんで、年間2900人程の命が失われています。この子宮頸がんは、90%以上の原因としてウイルス(ヒトパピローマウイルス)によって起こることが分かってといます。この子宮頸がんワクチンは、そのウイルスに感染して子宮頸がんになることを防ぐためのものです。厚生労働省は、「20歳代から子宮頸がん患者が増え、30歳代までに年間1000人の女性が子宮を失い、妊娠できなくなっている」と、注意を促しています。このため、子宮頸がんは、マザーキラー、ベイビーキラーとも呼ばれています。

 子宮頸がんワクチンは、このように大切な命を救う貴重なワクチンで、世界で多くの国々で実施されてきました。しかしながら、日本では、このワクチン接種後の副作用のことが、いろいろと過剰に強調され、世の中に流布したために、皆さんがちょっとおそれをなしてしまって、子宮頸がんワクチンを殆どしない時期が、残念ながら約10年続きました。

 しかしながら、様々な客観的な研究結果が出てきて、そういった副作用に関しては、子宮頸がんワクチンによる特別な因果関係はないということがはっきりして、去年の4月から、厚生労働省が積極的勧奨(ワクチンを積極的に接種するため、予診票などを対象者に送り、積極的に接種するように促すこと)を再開しました。
このワクチンは、現在、小学校6年生から高校1年生までの女子に対して公費で(自己負担なし)実施しています。ただ残念なことに、私のクリニックにもなかなか対象となる皆様がおいでになっていない現状が有ります。是非皆様に接種をして頂きたく念願しています。

 ちなみに、実は日本だけが、女の子だけにこのワクチンを接種しているのです。男女間の関係でこのHPV(ヒトパピローマウイルス)は感染するわけですから、男子もこれは当然接種すべきで、G7(アメリカ・イギリス・イタリア・フランス・カナダ・ドイツ・日本)で、男の子たちに対して接種していないのは日本だけです。日本以外は、すべての国で、男の子に対しても、このワクチンを接種しています。男女の関係が起こる前に、できるだけ早めにこの子宮頸がんの予防接種をするということが世界の常識になっているわけです。

 是非、女子だけでも、さしあたり、子宮頸がんワクチンの接種をお願いします。



子宮頸がんワクチン
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